Zoholicsへ参加する
シルバーウィークでシルバーだったのは空模様だけだったもので、21日は季節外れの猛烈な台風の直撃を受け、激しい風雨のために終日ホテルの部屋に引きこもることを余儀なくされた。続く22日は、かねてから予定していた屋内での勉強会にひたすら出席し、缶詰状態で知識の吸収に努めた。
そして23日もまた、無情な雨天により外出しての観光を断念せざるを得ず、再びホテルでの引きこもり生活を敢行した。
結果として、まともに横浜の美しい港町の風情を楽しみながら街を歩くことができたのは24日の一日のみという有様であった。
とはいえ、日常の喧騒から離れた異地のホテルで、降りしきる雨音を聞きながら静かに自分と向き合う時間も悪くはなく、ある意味で非常に充実した、記憶に残る濃密な横浜生活であったと言えるだろう。
そして迎えた最終日のハイライトが「Zoholics」への参加である。
「ようやくこのビッグイベントが終われば地元へ帰れる」という一抹の安堵感を胸に抱きながら、慣れない首都圏の過酷な通勤ラッシュに揉まれつつ、東京の会場へと足を運んだのである。
Zoholicsとは何か
私が参加したZoholics(ゾーホリクス)は、そんなZoho株式会社が世界各国の主要都市で大々的に開催している大型ユーザーカンファレンスであり、日本国内では年に1回、主に東京を舞台にして開催されている。
関西圏を活動の拠点としている身としては、「できれば大阪や京都といった関西エリアでも開催してほしい」と切に願うところではあるが、世界規模でビジネスを展開し、各国を飛び回って開催される性質のイベントである以上、日本の首都への一極集中になるのは致し方ないのだろう。
グローバル企業らしいユニークなカルチャーとして、イベント会場では同社のスタッフが、現代の洗練されたビジネスシーンにも違和感なく馴染むようにアレンジされたインドの民族衣装を身に纏って来場者を大々的に出迎えるという慣習がある。
異文化の香りと最先端のテクノロジーが同居する独特の熱気を帯びた雰囲気を醸し出していた。
日本法人の本社自体は横浜のみなとみらいに近いエリアに位置しているが、特筆すべきは静岡県に設けられたユニークなサテライトオフィスである。
なんと、使われなくなった古びた伝統的な日本の古旅館を同社が買い取り、建物の歴史的な趣を残したままフルリノベーションを施して、最先端のオフィススペースとして生まれ変わらせているのだ。
外観は静寂に包まれた純和風の木造建築でありながら、一歩中に入れば最新のITインフラが完璧に整備されているというそのギャップは、古い慣習にとらわれず常に革新を追求する同社の柔軟な企業風土を見事に体現していると言えるだろう。
Zohoの主力製品と強み
同社の主力製品であるCRMは、単なる名刺データのデジタル化や単純な顧客リストの枠を遥かに超え、「顧客の詳細な属性情報」から始まり、「日々のタスク管理」「進行中の商談のステータス」「過去の問い合わせ対応履歴」といった、ビジネスの生命線とも言えるあらゆるデータを、ひとつのプラットフォーム上で一元的に管理できる極めて強力なツールだ。 最大の強みは、このCRMを中核のハブとして位置づけ、さらに会計、人事、マーケティングなど数十種類にも及ぶ様々な業務アプリケーション群の中から、自社の課題解決に必要な機能だけをピックアップして有料契約できる点にある。これにより、社長を除けば現場の従業員が2人以下というような極小規模の中小企業やスタートアップであっても、無駄なコストをかけることなく無理のない「超スモールスタート」を切ることが可能となっている。さらに、システムの組み合わせを考えるのが面倒な経営者向けには、「Zoho One」という全機能入りパッケージを契約し、企業運営に関わる全領域を一気に一元管理してしまうという、ダイナミックで圧倒的な荒技も用意されている。
