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日本の政治に欠落し続ける「グランドデザイン」の不在:2026年の絶望的状況から読み解く①

与野党含めて、現代の日本の政党に根本的に欠けているものは「グランドデザイン」である。
私がこの問題を初めてnoteで指摘したのは2020年のことだったが、それから6年が経過した2026年現在、状況は好転するどころか、ますます混迷の度合いを深めていると言わざるを得ない。

グランドデザインとは、ある大きな理念や長期的な国家の計画を達成するために数十年、こんな社会構造を作り、こんなことをし続けると国民に提示するマスタープランのことである。
しかし、現在の日本の政治空間には、そうした壮大な青写真は存在しない。

かつて安倍晋三氏が首相に返り咲く時に掲げた「日本を取り戻す」にしろ、在任中に度々口にしていた「美しい国ニッポン」にしろ、これらはグランドデザインでも何でもなく、大衆の感情を煽るだけのただのスローガンに終わった。
いったい日本を何から取り戻すのか判然としなかったし、美しい国ニッポンは具体的にどう美しいのか、それを実現するための制度設計がどうなっているのかも釈然としなかった。
結局、美しい国を作るための具体的なデザインが存在したわけではなく、耳障りの良い言葉だけが空中分解していったのである。

こうした「ビジョンの欠落」は自民党だけのものではなく、与党であれ野党であれ、日本の政界全体がグランドデザインを描く能力を喪失している領域に落ち込んでいるのだ。
有権者の投票率が先進国の中でも際立って低い日本であるが、各政党が有権者に対して明確なビジョンやグランドデザインを打ち出せていないため、国民は「どの党が勝っても自分の未来の生活がどう変わるのか」を想像できず、結果として政治から背を向けているのである。

スローガンと人気取りに終始する与党:食料品消費税減税というポピュリズム

グランドデザインがない政治は、必然的に「その場しのぎの対症療法」と「人気取り」のポピュリズムへと堕落していく。2026年の現在の政治情勢を見れば、それは一目瞭然だ。例えば、高市早苗首相が打ち出した「食料品の消費税減税」である。物価高に苦しむ国民にとって、一見するとこれは魅力的な政策に映るかもしれない。

しかし、これはあくまで目先の選挙を乗り切るための「人気取り政策」に過ぎず、国家の税体系や社会保障を今後どうしていくのかというグランドデザインとは対極にあるものだ。
食料品の税率を下げることで生じる巨大な財源の穴をどう埋めるのか。
少子高齢化が極限まで進行する中で、福祉の維持と経済成長のバランスをどう描くのか。
そうした長期的な視座は完全に抜け落ちており、ただ有権者の目の前に「減税」という甘いケーキをぶら下げているに過ぎない。

かつて、唯一グランドデザイン「らしきもの」として、山本太郎氏の「本物の好景気を見せてやる!」というキャッチフレーズと「れいわ緊急八策」が存在した時期もあった。
しかし、あれも名前に「緊急」とついている通り、あくまでデフレ脱却のための「緊急政策」であり、その後の日本社会を数十年単位でどう構築していくかという壮大なデザインではなかった。
与党も野党も、目先の選挙と支持率のアップダウンに一喜一憂し、国家の屋台骨をどう作り直すのかという議論から逃げ続けているのである。

2020年から何も変わらないTwitterレスバトルの惨状と有権者の不在

政治家がビジョンを語らなくなった結果、政治の主戦場はSNS、特にTwitter (X)における極所的な「レスバトル」へと移行してしまった。
日々様々な政治勢力に分かれての不毛な言論合戦が繰り広げられており、あろうことか、こうした下世話なレスバトルに現職の国会議員や政党幹部までが積極的に参戦している。

Twitterでレスバトルをしている各政党の熱狂的な支持者やイデオロギークラスタは、ある意味で政党の下位互換と言える存在である。
彼らの支持する政党にグランドデザインが無ければ、必然的に支持者の側にも「将来の日本をどう設計するか」という発想は生まれない。
よって、議論は個別のスキャンダルや、些末な失言、特定の人物に対するバッシングといった細部にばかり向かう。

Twitterという閉鎖的な「円環の理」の中では、過激な発言でリツイートされることで承認欲求を満たすツイッタラーと、自分の代弁者をリツイートすることで自らの「正義」を再確認するリツイーターとの間に、強固な共依存関係が成立している。
そこには劇場型の熱狂空間が造り出されているが、そこに「普通の一般有権者」の姿はない。
一般の国民が抱える生活の苦しさや、将来への漠然とした不安に応える仕組みは、そこには全く存在しないのだ。

  • ひでぶ|あべし|たわば|うわらば|え・ち・ぜん・がにぃ
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2026/09/22 社会部 政治